暗号通貨の確定申告~基本編~

暗号通貨の確定申告~基本編~

今年も残すところ2か月を切りました。
この季節になると、生命保険の控除証明書が郵送されてくる、勤め先で控除の申請が始まる等、年末に向けての準備が始まりますね。

昨年は、『仮想通貨元年』と称され、課税をどのようにするべきか?これを国税庁が発表をしていますが、税法上の整備がまだ追いついていない状態ではあります。

今回は、昨年12月1日に国税庁が発表した資料を元に、仮想通貨の税金の取扱いや確定申告について、まとめてみました。

※※ 注意事項 ※※
お住まいの地区によっては当記事の内容が全て当てはまらない可能性もあります。
正確な情報を得られたい場合は、最寄りの税務署へのお問い合わせ、もしくは、税理士へのご相談をお願いいたします。

なお、当記事内の青字部分は、2018年10月24日追記分になりますことを、お含みおきください。

確定申告が必要になる人は?

確定申告が必要になる人は、以下のどれかに該当する人となります。

◎給与収入だけで2,000万円を超えている人
◎給与収入が1か所で、副業の所得が20万円を超える人
給与について源泉徴収されないことになっている人

例えば、暗号通貨を利用して儲けた利益が…
1月1日から12月31日を通して20万円を超えた場合、「副業の所得が20万円を超える人」に該当するため、確定申告が必要です。
(確定申告は2月16日~3月15日までの期間に申告する必要があります。)

この「副業所得が20万円を超える人」の中には、暗号通貨を『売却』『商品の購入』『他仮想通貨との交換』のタイミングで利益が発生した場合となります。
という事は、保有し続けている間は確定申告の必要がありません。

暗号通貨の申告は『雑所得』

仮想通貨は「雑所得として取り扱う」と、2017年4月1日に国税庁が発表しています。
「雑所得」は、毎月の給与所得といった他所得と合算して総所得金額を求め、金額が増えれば増えるほど税率も増える累進課税制度の「総合課税」が適用されます。

ちなみに…。
株やFXの利益は『総合課税』ではなく『申告分離課税』として扱われます。
他の所得金額と合計する事なく分離して税額を計算できるため、累進課税制度が適用されず、一律約20%の税率(所得税15%、住民税5%)になっていますので、『総合課税』より優遇されています。

雑所得のデメリット

雑所得の『総合課税』は累進課税というデメリットがあります。
しかし、最大のデメリットは、控除がなく、他所得と損益通算することができず、翌年への損失の繰越しができない事でしょう。

損益通算とは…。
簡潔に説明すると、赤字を利益と相殺する事で、納付する税金を減額できるのですが、「雑所得」の場合は同年(同じ期)で雑所得内のみという条件になっています。

例えば…。
暗号通貨で昨年1000万円の損失があった。
今年1000万円の収益があった。
この場合の課税対象額は『1000万円』となります。

株やFXの損益通算は確定申告しておけば翌年以降3年間まで可能です。
FXの場合、日経平均先物取引でマイナスになった分を商品先物取引の利益で相殺する、といった事ができたり、FXで損失がマイナス100万円出た場合、給与の所得から差し引いて、所得額を減らす(=納税額を減らす)といった事も可能です。

暗号通貨を持つ人にとっては、泣きたくなるような雑所得ですね。

『株』や『FX』の損失を暗号通貨の収益と損益通算はできない?

株やFXで損失が出た場合、それを暗号通貨の利益と損益通算できるのか、という事です。
所得の区分としては、株式が『譲渡所得』、FXが『雑所得』となります。

これだけ聞けば、FXは仮想通貨と同じ『雑所得』なので損益通算ができそうです。
がしかし、前述した通り、FXは「申告分離課税」として取り扱われ、暗号通貨は「総合課税」として取り扱われる、この性質の違いにより、FXや株の損失と仮想通貨の利益で損益通算することができないのです。

では株とFXは同じ「申告分離課税」だから損益通算できるの?という疑問が湧きますが、株は「譲渡所得」、FXは「雑所得」に区分されるため、損益通算することができません。

注意事項!
株やFXの所得の区分は事業形態や取得方法により異なります。仮想通貨も同様に、コインをもらった場合は『譲渡所得』、仮想通貨をマイニングする目的で会社を立ち上げた場合は『事業所得』として取り扱われる可能性があります。
詳しい事は、税理士等の専門家にご相談して頂く事をお勧めしたします。

所得税の累進課税率について

以下に所得税の累進課税率をまとめました。

例として…。
給与が350万、仮想通貨による収益が50万円の場合、適用される税率は20%となります。
これを、計算式に当てはめてみます。

計算式
400万(利益) × 20%(税率) -427,500円(控除) = 372,500円

この例だと『372,500円』が税金になります。
暗号通貨で50万円の儲けに対し、37万円もの税金を収める事になります。
この、372,500円の税金は『所得税』のみであり、『住民税(都道府県民税+市区町村民税)』は含まれておりません。
会社勤めの場合、給与350万の所得税は、源泉所得税として自動的に引かれています。
しかし、暗号通貨の利益分を個人で確定申告をすると、会社で源泉徴収されている分から不足した税額を、税務署に納付する必要があります。

ちなみに…。
給与所得+暗号通貨利益が4000万円以上の収益の場合、45%と非常に高額な税率が適用されるため、法人として活動する事により、控除がない『雑所得』ではなく、損益通算ができて控除がある『事業所得』として見なされる可能性があります。
この場合、累進課税制度の『所得税』より税率が安い『法人税』が適用となります。


暗号通貨の特性上、課税対象となる所得金額の計算方法が少し複雑になっています。
国税庁が2017年12月1日に発表した事を基に、今回はお伝えいたしました。

仮想通貨を売却、仮想通貨を使って商品を購入、仮想通貨を他仮想通貨と交換した場合に、所得金額が発生します。

注意事項!
暗号通貨は、売却を行った時点で所得金額が発生します。
取引所で日本円の出金をした時点ではありませんのでご注意ください。

正確な情報、知識を取得し、来る確定申告の際にも困らないようにしておきたいですね!

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!(^^)