暗号通貨が日本で広がらない理由は?

暗号通貨が日本で広がらない理由は?

ビットコイン(BTC)をはじめ、暗号通貨市場が軒並み暴落するなか、2018年4月、仮想通貨取引所の『コインチェック』を買収したマネックスグループの松本大社長CEOが、慶応義塾大学・三田祭で開かれた講演会に登壇し、日本で暗号通貨への投資が広がらない理由の一つに「税制がある」と指摘しました。

仮想通貨の取引で得た利益は「雑所得」に分類され、最大税率で55%が課せられることになっています。

暗号通貨の利益は『損益通算』ができない

金融商品にかかる税金として、たとえば株式を売買して利益を得ると、税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となっています。
『申告分離課税』による納税方法で、給与などの所得とは切り離して株式の譲渡益だけを計算して確定申告を行います。

また、外国為替証拠金(FX)取引の利益は『雑所得』になりますが、2012年に店頭取引と取引所取引の課税方式が統一されました。
株式投資と同じように『申告分離課税』が適用され、税率も20.315%に統一されています。

これに対して、暗号通貨の投資で得た利益は『雑所得』に分類され、最大税率は55%となります。
2017年12月発表の国税庁の「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」によると、会社員など給与所得者が副業として行う場合は20万円以上の利益で、主婦や学生など被扶養者については33万円以上の利益で確定申告が必要になる、となっています。

株式投資などは損益通算(所得金額の計算上生じた利益と損失を相殺すること)ができますが、暗号通貨は競馬やパチンコなどと同様に損益通算はできません。

最大税率55%、つまり利益の半分以上を税機として納めなければならないので、他の投資商品と比べて見劣りしてしまうというわけです。

EUではゼロ%の国もある

マネックスの松本社長はこの講演会で、「せめてFXと同じにしてほしい」と訴えました。

さらに、「すでにEU(欧州連合)では仮想通貨に課税しない国も出てきている」と話しています。
フランスは2018年4月、暗号通貨の税率を45%から19%へ大幅に引き下げており、スイスではBTCへの消費税適用を除外。ドイツは支払いに使われる暗号通貨への課税をゼロにしている事例をあげ、海外と比べても対応が遅れていると、指摘した。

松本社長は「(仮想通貨取引は)現状は過渡期だが、ここ(税率)を下げていかない事には(投資)意欲が薄らいでしまう」とも話しています。

 

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